こんにちは、たけんちです。
今回は、伝説のトレード本、「TFブレイクアウト!」を徹底解説したいと思います。
タイトル
「TFブレイクアウト! 明確なルール、明快な売買」
著者
トウキョウフォックス
概要
パンローリング出版より2003年2月に発売
192ページ、税込み3,850円
(残念ながら現在は絶版となっています。)
今となっては中古市場でしか手に入らないこの素晴らしい本の内容を、出来る限り忠実にお伝えできればと思いますので、最後までお付き合い下さいます様よろしくお願いいたします。
本書より抜粋
「優れた手法は、ポジションを決済した時点で、爽快感や達成感を味わう事が出来ます。
それは、底値圏で買う事ができ、高値圏で売ることが出来るからです。
絶妙なタイミングで決済することが出来るから味わえる優越感なのです。
自画自賛になりますが、この優越感や爽快感を味わえることが、TFブレイクアウトの最大の特徴と言えるでしょう。」
はじめに
まず初めにこの本は著者ご自身の手法をまとめる為に書き始めたとの事、自然の摂理にかなった優れた手法であることに気付き、1年を費やして本にまとめ上げたそうです。
「TF」とは「トレンドファブリック」の略で、トレンドの構造と言う意味があるのだとか。
さらにペンネームのトウキョウフォックスにも掛け合わてあるそうです。
それでは、前置きはさて置いて第一章から始めていきたいと思います。
第1章 TFブレイクアウトについて
1.手法発見のきっかけ
はじめはウィリアム•D•ギャンの手法にはまり、さまざまなチャートにギャンアングルを引いて取引をしていましたが、全く儲からなかったそうです。
そしてスウィング手法を取り入れますが、これも思う様に行かず、その後日足の前日高値、安値から一定値幅動いたら売買する方法を研究します。
しかし、小さな値幅だとノイズに引っ掛かり、大きくすると相場のタイミングが遅れてしまい、結果的に使える値幅を見つけることは出来ませんでした。
その後「押目」にしるしを付けて行くと、それ自体がトレンドの転換点になっていることに気付きます。
下げトレンドは、そのトレンド形成中に出来る「戻り高値」を上に抜けると上げトレンドへ転換し
上げトレンドは、「押目」を下へ割れこんで下げると下げトレンドへ転換する。
その当時はシンガポールに上場しているSGX日経平均先物とFXの取引をされていたそうですが、あまり儲けることが出来ず、一時撤退する事になってしまいます。
しかし、発見した法則には間違いがなく、何かのエッセンスが足りないだけだと言う事に気付き、そして完成したのが「TFブレイクアウト」になります。
では、様々な紆余曲折を経て発見した「TFブレイクアウト」には一体どんな特徴があるのでしょうか?
2.TFブレイクアウトの特徴
「TFブレイクアウト」とは、
〇ポジションエントリー
〇ロスカット(損切り)
〇プロフィットテイク(利食い)
〇マネーマネジメント(資金管理)
から構成されています。
著者がこの手法を使い始めた当初は、ブレイクアウトポイントだけに目が行ってしまい、全体のバランスを考えた取引が出来ず、損切や利食いを気にしていなかったそうですが、より多くの利益を追求するために、明確で勝率の高いエントリーポイント、明確なロスカットポイント、精度の高い利食い目標値、そしてポジションを管理するマネーマネジメントを兼ね備えることが出来たそうです。
3.ブレイクアウト手法とは何か?
「ブレイクアウト」とは、『ある価格』まで上昇したら買い、『ある価格』まで下落したら売る手法の事を言います。
絶対に天井では売れないし、底値では買えないという思いがあり、なぜその価格が天井か?なぜその価格が底値か?予測は絶対に不可能であることに気付きます。
儲ける事を優先するトレーディングでは、上げトレンドになったら買い、下げトレンドになったら売れば、不確実で可能性の低い段階で大事な資金をリスクにさらす必要がなくなります。
そこで『ある価格』の事を「ブレイクアウトポイント」と呼ぶ事にしました。
ブレイクアウトポイント=エントリーポイント
ブレイクアウトポイントではトレンドが転換したとして、それこそが『ある価格』まで上昇して相場に入るタイミング、『ある価格』まで下落して相場に入るタイミング、となるわけです。
4.トレンド
「TFブレイクアウト」を理解する為には、独自のトレンド観を理解する必要があります。
どの状態が上げトレンドで、どの状態が下げトレンドなのか?
明確な基準があり、それを「トレンドの定義」と呼びます。
★トレンドの定義
•上げトレンドとは、高値を更新して、安値が切り上がった状態
高値の切り上がり|直近の高値がその前の高値を上回っている。
安値の切り上がり|直近の安値がその前の安値よりも上にある状態。
↑この2つの条件が確認出来た時、「上げトレンド」と判断できる。
•下げトレンドとは、安値を更新して、高値が切り下がった状態
安値の切り下がり|直近の安値がその前の安値を下回っている。
高値の切り下がり|直近の高値がその前の高値よりも下にある状態
↑この2つの条件が確認出来れば、「下げトレンド」と判断できる。
5.押目と戻り高値
「TFブレイクアウト」でのトレンド転換を判断する基準は、
押目(おしめ)
と
戻り高値(もどりたかね)
です。
※注意!
安値≠押目
安値と押目は違います!
高値≠戻り高値
高値と戻り高値は違います!
※重要!
•押目とは、上げトレンドに出来る安値で、直近の高値と、その前の高値の間にある安値を言う。
ただし、直近の高値Cは、その前の高値Aよりも高くなければならない。
:AとCは「高値」
:Bは「押目」
:DはまだEがCの高値を更新していないので「安値」
•戻り高値とは、下げトレンドに出来る高値で、直近の安値と、その前の安値との間にある高値を言う。
ただし、直近の安値Cは、その前の安値Aよりも、安くなければならない。
:AとCは「安値」
:Bは「戻り高値」
:DはEがまだCの安値を更新していないので「高値」
(つまり、上げトレンドに出来る高値は、戻り高値ではなく単なる高値となり、下げトレンドに出来る安値は、押目ではなく、単なる安値になります。)
★定義の特例
※特例として、直近の高値Dとその前の高値Bが同値の場合、間にある安値Cは「押目」とします。
:BとDは高値
:Cは押目
※同様に、2つの安値IとGの間にある高値Hは「戻り高値」となります。
:GとIは安値
:Hは戻り高値
6.トレンド転換の原理
※押目と戻り高値はブレイクアウトポイント(エントリーポイント)を探すための基準になります。
最重要ポイント!
上記の図では、
下げトレンド中のBとDとFは「戻り高値」となり、
AとCとEとGは「安値」になります。
そして、HがFの「戻り高値」を上に抜けた事で、これまで下げていたトレンドより強い上げの力が発生した事が分かります。
更に、IがGの「安値」よりも高い位置にあるため、売りの力が弱くなっていることが分かります。
これにより、Hの「高値」をJが上に抜けることによって、Iが「押目」となり、上げトレンドへのトレンド転換が起きたと判断することが出来るのです。
今度は逆にAとCとEとGが「高値」になり、
BとDとFが「押目」となります。
そして、HがFの「押目」を切り下げたことにより、それまで上げていた買いの力より、売りの力が強まっているのが分かります。
更に、IがGの「高値」を超えることが出来ずに下にあることから、売りの力が強まっていると判断することが出来ます。
これにより、JがHを下に抜ける事により、Iが「戻り高値」となり、上げトレンドから下げトレンドへ転換したと確認することが出来るのです。
7.ブレイクアウトポイント
ブレイクアウトポイント=エントリーポイント=売買を仕掛けるポイント
いよいよ最終的に「TFブレイクアウト」の手法を用いたエントリーへと進んでいきます。
〇上げトレンドへの転換
下げトレンドから上げトレンドへの転換は、「戻り高値」を上に抜けて「押目」を形成した時点で確定します。
上図の「〇ブレイクアウトポイント」と記されているEの高値を抜けたところがエントリー位置になります。
〇下げトレンドへの転換
反対に、上げトレンドから下げトレンドへの転換は、「押目」を下へ抜け、「戻り高値」を形成した時点で確定します。
図では、Fの「安値」を下へ割れる事で、Gの「高値」が「戻り高値」になりますので、「〇ブレイクアウトポイント」と記されているところからエントリーとなります。
要注意!
ここまで読んでいただいてお気付きの方もいらっしゃるかも知れませんが、こちらの「TFブレイクアウト」手法は、あくまでも
トレンドの転換を確認し、ブレイクアウトポイントを見つけてエントリーする手法です。
ただ単に直近高値を上にブレイクしたからエントリー
直近安値を下へブレイクしたからエントリー
と言ったものではありません。
しっかりと、「押目」と「戻り高値」の定義を理解し、トレンド転換が起きたことを確認したのちに、エントリーが可能となるのです。
尚、「TFブレイクアウト」手法を用いた実際のトレード結果については、当ブログにて「FXトレード日記」を公開しておりますので、そちらで実際のエントリーポイント、利確、損切り位置になどについて確認していただければと思います。
それでは、この辺で「TFブレイクアウト」前編を終了したいと思います。
後編では、この手法を使って著者が実際に取引した事例を交えて、
利益確定、損切り、資金管理、などについての記述を徹底的に解説していきたいと思います。
それでは、後編でお会いしましょう!
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