こんにちは、たけんちです。
デイトレードをしていて、どうしても明確な判断材料が出ずに翌日までポジションを持ち越してしまった時などに、気が付いたらスワップポイントがついていたり、またマイナススワップと言われる金額を引かれていたりしたことはないでしょうか?
スイングトレードをメインの手法にされている方なら当たり前に毎日お付き合いすることになるスワップ金利ですが、スキャルピングやデイトレードと言った比較的短めの保有時間でトレードされている方にはあまりなじみがないかもしれません。
そんな普段はあまり気にしない「スワップ金利」について解説してみたいと思います。
スワップ金利とは
一般的にはスワップポイントと呼ばれ、通貨ペア間の金利の差額のことを指していて、金利の高い通貨を買って、金利の低い通貨を売ると、その通貨ペア間の金利差を受け取ることが出来ます。
逆に、金利の高い通貨を売って、金利の低い通貨を買うとその金利差を払わなければならなくなります。
では、どんなシチュエーションでこのスワップポイントが発生するのでしょうか?
スワップ金利の仕組みとは
スワップポイントは、通貨間の金利差を毎日調整するために受け取ったり、支払ったりするものなので、保有している通貨ペアに生じる差益、差損とは別ものとなります。
例えばドル円を100円でロングして、101円で利益確定した場合、1円の差益が出ますが、その差益分とは別にスワップポイントが付与される仕組みになります。
ドル円を100円でショートして、99円で利益確定した場合、1円の差益が出ますが、その差益分とは別にスワップポイントを今度は払わなければいけなくなります。
ですのでこの場合は1円の差益からマイナススワップを差し引いた金額が最終的な利益となります。
前述の通り、高い金利の通貨を買って、低い金利の通貨を売ると金利差を得られるので、日本の政策金利は-0.1%、そしてアメリカの政策金利は0.25%ですので、その差0.35%がアメリカと日本の金利差となり、アメリカドルを買っていればこの差を得られて、売っていれば支払う事になります。
ちなみに、欧州は0%、英国は0.25%、豪州も0.25%となっており、主要国は軒並み超低金利となっています。
高金利通貨として有名なのが、南アフリカの3.5%、トルコの10.25%、メキシコの4.25%となっています。(2020年11月現在)
スワップ金利を受け取るにはどうしたらよいのか
高い金利の通貨を買って保有した状態で、朝6時55分(夏時間は5時55分)を過ぎるとスワップポイント(金利差)が発生し、朝7時10分(夏時間は6時10分)の時点で付与される仕組みになっています。
例えば南アフリカランド円のロングを保有して、朝6時55分を過ぎると金利差としてスワップポイントが発生し、朝7時10分にそのスワップポイントが付与されています。
逆に、南アフリカランド円のショートを保有して、朝6時55分を過ぎると金利差を払わなければなりません。これをマイナススワップと呼んでいます。
このスワップポイントは土日も関係なく毎日発生しますので、例えば金曜日にポジションを持ち越して、翌週月曜日までロングを保有していた場合もスワップポイントは発生しています。
しかし、得られるのは2営業日後になりますので、土日に発生したスワップポイントは2営業日後の水曜日に付与される事になります。
これは、ロールオーバーと言ってFXが「スポット取引」と呼ばれる直物取引をしている為で、契約日の2営業日後に通貨の受け渡しを行って決済が完結するためにスワップポイントも2営業日後に付与される仕組みになっています。
つまり、土日をまたいで保有していたロングポジションがあっても、月曜日に決済してしまっては土日の分のスワップポイントは得られず、
逆に水曜日にロングエントリーをして、木曜日まで保有していた場合は、土日の分のスワップポイントが付与される仕組みになっています。
ちなみに朝6時55分より前に決済した場合はスワップポイントもマイナススワップも発生しません。
スワップ金利の有利な通貨ペアは?
高金利通貨として南アフリカランド円、トルコリラ円、メキシコペソ円、のロングポジションを保有していると毎日スワップポイントが得られますが、円に対してこれらの通貨は信用力が低く、為替差損が出てしまう可能性が高く、得られるスワップポイントに見合った利益を出すのが難しいトレードとなります。
ただ、保有しているだけで毎日入って来るスワップ金利は不労所得の様なものなのでお得な印象がありますが、投資元本が日々減ってしまうリスクも考慮しなければなりません。
もし仮に紛争などが起きて、これらの通貨が暴落してしまう事があった場合の損失を考えると、毎日得られるスワップポイントの利益とは釣り合わないことは明白です。
ですが、しっかりとチャート分析や、それぞれの国の国政や金融政策に精通されていて、確信をもってその通貨ペアのトレードが出来るのであれば、何も問題はないと思います。
証券会社によるスワップポイントの違い
前述のとおり、実際にはインターバンク市場で金融機関や証券会社との間で「スポット取引」という取引をしていて、通貨の交換を2営業日後に行っていますので、金利差もその時に受け渡しをする仕組みになります。
証券会社によってはレートの受け渡しをしている金融機関に違いがあり、お互いのカバー先が異なる為にFX会社によってスワップポイントにも違いがあります。
どの証券会社がどういったスワップポイントを提示しているかはそれぞれのHPを確認していただければと思います。
※SBI証券のスワップ金利表になります。各社表記もバラバラですので、ご参考までにどうぞ。
スワップ金利を受け取りながらの長期投資はありかなしか
スイングトレードで、長期的に通貨ペアを保有しながらスワップポイントと為替差益を狙うトレードは一見何もしなくても利益が出ているように感じます。
為替の特性上理論値や中央値と言われる価格に戻ってくる習性があることを考えると、その通貨の中心的な価格でロングをした場合は、どんなことがあっても保有し続ける握力と、フラッシュクラッシュなどが起きても動じない証拠金があれば、数年間寝かせておくだけでそれなりのスワップポイントは得られるのかも知れないな?と思います。
しかし、一般的に数日から数週間のトレードでは、やはりスワップポイント狙いのトレードは理に適っていない気がしますのであまりお勧めは出来ません。
※株の配当金投資のように、企業の業績成長に伴いその会社の株を保有し続けて、年2回の配当金を貰いながら長期投資をしたり、国債などのように元本が保証された利回りを受け取ることと、為替のトレードは根本的に考え方が違うと思って頂いて間違いないと思います。
もし高金利通貨ペアをトレードされるのであれば、マイナススワップを覚悟してでもテクニカル分析や、ファンダメンタルズ分析に乗っ取ってトレードされるのが良いかと思います。
まとめ
通常数日から1週間程度のトレードを繰り返している私ですが、正直スワップポイントもマイナススワップも殆ど意識していません。
なぜなら、主要国の金利はほぼ0~0.25%以内に収まっていますので、どちらにしてもあまり気にならない金額だというのが本音です。
しかし、今後経済が復活して、主要国が続々と政策金利を上げ始めた場合は、マイナススワップになってしまう通貨ペアを長期で保有することは、利益を食いつぶしてしまうインパクト(3倍デーとか)を持つかもしれませんので、
その時は慎重に取引通貨ペアを選んで、なるべくプラスマイナスの差が小さい証券会社を選んでトレードしていきたいと思います。
それでは、今回は以上となります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。