こんにちは、たけんちです。
時々経済ニュースなどでリスクオフ相場が続いています、とか相場がリスクオンになっていますね。などと言われているのを聞きますが、一体これは何のことを言っているのでしょうか?
リスクがオンとオフに分かれるというのも、ちょっと良く分からないのですがそんな良く分からない言葉、リスクオンとリスクオフについて解説していきます。
リスクオンとは
より高いリスクのある資産への投資をすること。
経済の見通しが明るい時に安定的な資産から、より高いリスクのある高金利通貨などに資金を移動する動きの事を指します。
リスクオンの具体例
世界のお金は常にどこかに回り続けている訳ですから、現金を株式へ、株式から先物へ、先物から金へ、などとグルグルとより利益を得られる投資対象へとお金が流れています。
そのお金の流れの中で、よりリスクの高い方へ向かっている動きの事を「リスクオン」と呼んでいます。
具体的には、値動きの少ないドル円のような通貨ペアから、金利が高く不安定な新興国通貨の南アフリカランドやトルコリラへ資金が移動する流れになります。
経済の先行きが明るく、成長が見込める地合いですから、産業が活発化し、資源が必要になりますのでオーストラリアやニュージーランド、カナダなど資源国の通貨も積極的に買われる傾向があります。
どんな時にリスクオンになるの?
例えばトランプ大統領が就任した直後などは、株が買われ、ドル高が進み市場全体に安心感が広がり、安全資産からリスクの高い投資対象へ資金を移動させる動きが働き「リスクオン」になりました。
金や債券とならび、ドルと円、スイスフランも安全資産と考えられていて、新興国通貨や先物、コモディティへの投資はリスクが高い投資対象とされています。
リスクオフとは
政治が不安定であったり、災害や戦争などが起きている状況の中で、投資家がリスクを取りたくない心理が働いている状況を指しています。
リスクオフになると新興国通貨や先物市場から、安定的な資産である国債やドル、円に資金をシフトする動きが見られます。
リスクオフの具体例
具体的には新興国通貨が売られて、ドルや円が買われる動きが分かりやすいかと思います。
また、株式市場から債券市場へ資金が移動したり、金の価格が上がったりすることもあります。不確実な情勢のときは、投資資金をより安全な所へ移動したいという投資家の心理の表れだと思います。
どんな時にリスクオフになるの?
例えば新型コロナの影響や、地震やハリケーンなどの天災、中東で勃発する内戦などが起きると、リスクを取りたくない投資家が安定的な投資対象へ資金をシフトします。
金融機関は常に様々な投資対象へ資金を投資してポートフォリオを組んでいますので、その中の比率を先行きが不安定な投資対象から、比較的安定的な投資対象へ変更することで、リスクを最小限に抑える動きをするために、このようなことが起きています。
FXでリスクオンとリスクオフで買われやすい通貨ペア
前述の通り、リスクオンになると新興国通貨の南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソなどの高金利通貨や、資源国であるオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコが買われ、ドルや円が売られやすい傾向にあります。
反対にリスクオフになると、ドルや円、スイスフラン、金、国債が買われ、新興国通貨や先物、コモディティへの投資が控えられる傾向にあります。
その時々の政治や経済、地政学的リスクを考慮して、投資対象を選んでいくと、必然的に投資資金が同じようなところに集まって来てしまうのではないかと考えられていますので、常に今どの投資対象へ世界の投資家が注目しているか?を意識しながらトレードをすることが大切になって来るのではないかと思います。
※コロナショックの時はリスクオフになるはずですが、急激な株式の大暴落で追証(おいしょう)を免れるために追加の資金(現金)が必要になった投資家が、
安全資産であるはずのドルを売って現金化し、株式を買い支えると言った動きが起きました。
必ずしもリスクオンだから、リスクオフだからこうなる、と言ったものではなく、投資をする上での認識の問題として捉えて頂けたらと思います。
まとめ
有事のドル買い、有事の円買い、などと言われて、不確実な政治や経済のニュースが出るたびに、ドルが買われ、円も買われるので、ドル円はお互いに引っ張り合って値動きが少ない通貨ペアになっています。
ユーロやポンドは英国のEU離脱交渉が難航していて、ジェットコースターのような乱高下を続けています。リスクを取りたい人と、リスクを避けたい人で綱引きをしているようなそんな状況に見えます。
EU離脱の交渉にめどが立ち、新たな米大統領が決まるころ、相場はリスクオンになるのか?もしくは更なる難題が降りかかってリスクオフになるのか?
注目したいと思います。
それでは、今回は以上となります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。