広瀬隆雄さん(じっちゃま)のYouTube動画を見ていました。
毎回視聴者からの質問に答える形式で2~3時間の長丁場を淡々と進行されています。
その中でFXにも通じる目から鱗の非常にシンプルかつ重要な話をされていましたので、転載させて頂きます。
逃げられればOK

僕は1990年代のドットコムブームの経験者ですよ。
ドットコムバブルが弾けた時には僕はそこにいました。
あの時も逃げてるんだよ、逃げられてるんだよOKだったんだよ!かすり傷程度だったんだよ、なぜかすり傷程度だったかと言うと、決算悪くなった時点で、プーンと鼻くそピーンって感じで売れば、傷が少なくて済むんですよ。だからみんなソワソワしているかもしれないけども、心配しないでください。
決算まで待ってください。決算多分いいから、それで、決算で「ん?」なんかおかしいぞ、と思ったときに売ればね、それで十分間に合います。
全員退場してるんですよ!

あのこういう事よ、ドットコムブームのピークに近い時に1999年、2000年の相場が崩れる前に、当時はもうカーっと火が出るような成長株の相場だったのね、ちょうど今みたいなもんよ。
しかし、その横でふっと横を見るとさ、あれ?ノースロップが上がってんじゃん?って感じでバリュー株もパフォーマンス悪くなくなって来てたんですよ。
あるいは新興国株ももうレッツゴーしてなかったんですよ。
そう言うふうに前回の、あるいは今回のテーマになっている相場の、テーマになっているグループね、それがまだ阿波踊りを踊っている間に、次のリーダーシップ、それは株価がスルスルっと上がり始めるんですよ。
例えばね、フリーポートマクモラン(FCX)とか株価見てごらん、えーって感じで、えーって思うよ、だから、みんなが気が付いてないだけで、いっぱいあるんだよ。もういいリズムで上がり始めてる銘柄っていうのは、いっぱいあるんだよ、だから馬鹿みたいにさ、俺はハイパーグロースだけで「命」って感じでさ、態度決めちゃってそれでずーっと抱きしめる、で、そういうことしてた人って全員退場してるんですよ。
ドットコムバブルが弾けた時に、なぜかというと株価が9分の一になったんだからさ、全部のドットコム株の株価が9分の一、Amazonだって9分の一かどうか知らないけど、8分の一ぐらいになってたと思うよ。
だから、サバイブ(生き残っている)している企業でもそんなひどい局面があったんだから、今後リモートワーク関連にそういう事がないという保証はないですよ。
一番ラッキーになれるところ

仮想通貨も上がってきたら手がげたいと思うよ。
あのさぁ、こういう事ですよ、みんなはね僕の事を見てああ広瀬さんは前は仮想通貨って言ってます、その前はBRICSって言っていたし、あいつ何だコロコロコロコロ意見が変わるじゃん、って言われるけどそうじゃないんですよ、僕は一貫してるのよ、で何が一貫しているかと言うと、今一番旬なところ、今一番環境がいいところ、ラッキーになれるところ、今どこに自分が移動すればラッキーになれるかと言う事を探し求め続けてるんですよ。
だから、そのもうラッキーに成れないと思った投資対象は放つ、「ピーン」ですよ。
僕裏切り者なんですか?

僕は1986年かな、87年かな三洋証券と言う日本の準大手証券会社に入りましたよ。
当時日本株はPER70倍くらいのさバブル相場だったわけよ、それで僕はそれを見てて、これは僕は中途採用で三洋証券に入ったんで、建設業出身者なんで、その僕がこれから頑張っても、日本株でそのトップに立つことは出来ないなと言う風に思ったのね、それで、日本株のバリュエーション見たらPER70倍くらいでみんな強気でガンガンやってたわけですよ、で僕はそれを見ていて馬鹿げてるなと、もっと別のニッチを求めた方がいいなと言う事でアメリカ株にスイッチしたわけですよね。
1988年からアメリカ来てますよ、で90年に東京マーケットがバブルが弾けてその後東京マーケットどうなりました?ずーっといいところなしでしょ?で僕は裏切り者なんですか?
裏切り者かも知れないよ、首尾一貫してない態度がコロコロ変わってる、でアメリカ株にあいつ行きやがってって、そういう評価も出来るかも知れないけれども、逆に言えば僕は素直なんだよ、わかる?素直なんですよ、だからそのぺんぺん草も生えない所で頑張っていてもしょうがない、もっと環境のいいところに行こうと思ったからアメリカに来れたわけでしょ?
それで、最初はバリュー株とかやってたわけですよ、それからメキシコ株とかそういう新興国株式とかやってたわけよ、でそれが環境が悪くなったんで、1996年にこれからはドットコムだと言う事でニューヨークからサンフランシスコに移動したわけでしょ?
それでドットコムバブルが弾けてJPモルガンをクビになって、その時にはこれからはBRICSだと言う事でBRICSのヘッジファンド始めたわけでしょ、そういう風にドンドンどんどん変えて行かなきゃいけないんですよ。
そして、おんなじことをずーっと続けるのと、どんどん変えていくのとどっちが難しいかというと、どんどん変えていく方がはるかにはるかに難しいですよ。
そして、どんどん自分を否定してこれまで自分が延々と積み重ねてきたものを全部放り出して、新天地に行く方がよっぽど勇気がいる事だぜ、分かる言ってること?
ベアマーケットに付ける薬はない

だから僕は過去3年くらいはね、リモートワークというかSaaS銘柄サブスクリプションの話ばっかりしてたわけでしょ、でも今サブスクリプションは終わりかかってると思うよ、はっきり言って
それだったら、折角3年間で、信頼、信用、ノウハウ、そういうのをためて来たのに、それ放り出してもったいないよね、っていう風に僕が思うかと言うと、もったいないとは一切思わないよ。
なぜならベアマーケットに付ける薬はないからですよ。
ベアマーケットに付ける薬はない、日本の証券マンは1990年から今日までギトギトになりながらずーっとやってるわけだよね
俺に言わせれば馬鹿だよそんなの、馬鹿ですよ!もっとずーっと前に1996年くらいにヤフーとかさ、エキサイトとかさ、そういうドットコム株やってれば遥かに良かったわけでしょ結果はさ、だからそのどんどんどんどんターゲットを移していくと言う事は非常に重要な事なんですよね、
その絡みでいえばさ、仮想通貨だって当然ありますよ、儲かるんだったら当然やるよ、僕がやりたいのは儲かる投資対象をやりたいんであって、僕が得意な投資ではありません。
投資対象は不得意でもいいんだよ、知らなくてもいいんだよ、例えばワクチン、新型コロナが問題になった時、ワクチンの事なんて全然知らなかったよ、だけど1か月間で勉強してエキスパートになればいいわけでしょ?だからもう僕はあたかも見てきてかのようにモデルナがどうだとか、バイオンテックがどうだとかって言う風に言ってる訳だけども、それはみんなと僕との違いと言うのは何かというと僅か1か月のリードタイム、1か月の勉強の差でしかないんだよ、で今僕はワクチンに対してどう思っているかと言うと、あ、終わったな、「ポイっ」ていう風に思ってるよ、はっきり言って
なぜかというと、みんなが知り尽くしたら相場は終わるんですよ。
知識の空白を埋めていく作業

投資の世界では、α(アルファ)と言うのと、β(ベータ)という概念があります。
βというのは市場が1動けばそれに合わせてその投資対象も同じように1動く、そういう風にマーケット全体の動きで説明できる原因、儲け、それの事をβと言う風に言います。
それに対してαと言うのは何かというと、そのファンドマネージャー、投資家の治験、ノウハウ、テクニック、そういった技量によって差をつける、そのことをα、プラスアルファのαと言う風にいいます。
だから株式投資のパフォーマンスはβとαに分解できるという話をしてるのね、そしてここが大事なところだけど、さっきの質問者に対して来年どのセクターがいいんですか?と言ったときに、今はVTIでいいんじゃない?っていう風に言いましたよね?アメリカ株全体を買う、ETFでいいんじゃない?なぜかというと未来は分からないから、今混とんとしてるから、その時は何を説明しているかと言うと、βを取りなさい!という話をしています。
それで、じゃあαどうなんだよ?と今年2020年という年は、ズームビデオとかさ、あるいはペロドンとかさ、そういう風にαが物凄くアウトパフォームした年だったんだよね、で、αのアウトパフォーマンスの源泉は何か、その株価上昇の推進力になっているのは何かというと、それは知識のギャップです。
α、つまり他人を出し抜くようなアウトパフォーマンス、それを駆動している原動力は何か?とそれは知識の真空なんですよ。
例えばバイオンテック、という会社の株価が30ドルくらいだった、その時にやっぱこの会社のワクチンは効くかもしれないというのは一つの知識面で他人をリードしてるわけでしょ?
でも、当初はバイオンテックがワクチンやってるなんて僕は知らなかったわけ、と言うかみんな知らなかったわけね、だから、そこに知識の真空、理解の真空があったわけですよ、その理解の空白部分をどんどん埋めていく作業が勉強、もしくは銘柄研究でしょ?
だから、銘柄研究と言うのは早く始めた方がいいんですよ、みんなが研究していないものを研究した方がいいんですよ、だから今からバイオンテック研究したって糞の役にも立たないよ!みんな理解してるから、今からズームビデオの研究したって糞の役にも立たないよ!みんなズームの事知ってるから、そうじゃなくて知らないものをやれよ!って話をしています。
エモーションで投資を捉えているうちは成長しない

例えばロブロックスって今度IPOされるけれど、それだったら知らない人いるかも知れないね、子供はみんな知ってるけれど、大人は知らない、あるいはユニティなんかは子供は知ってるかもしれないけれど、大人は知らない人も多かったかもしれない、そういうものの方がいいわけでしょ?
だから勉強しない所にαによるゲインはあり得ないんですよ、分かります?それが株式投資の極意というものでしょ?
だからみんな、みんなが知り尽くしたものからなんで広瀬さんは、クルッと態度を変えてみんなに背中を向けるみたいにして次の所に逃げていくの?あいつ裏切り者じゃね?そういう風にさ、投資と言うものを好き、嫌い、あいつ気に食わない、感動した、勇気もらった、そういう風なエモーションでさ、投資を捉えているうちはいつまでたっても成長しないよ。
そうではなくって、知識の空白を全部埋め尽くしたと言う事は、マーケットのエネフィシェンシーつまり非効率というものが全部なくなったわけだから、それはすべて株価に織り込まれている訳ですよ、好材料が全部株価に織り込まれている瞬間程恐ろしいことはないですよ、だから、僕は怖い、怖いと思いながら、逃げてるわけよ、
みんなから逃げてるんじゃない、それは知識の完成というものから逃げてるんですよ。
広瀬隆雄さんYouTube
こちらの動画内1:11:00~1:45:00までを抜粋してしています。
米国株だけではなく、投資全般に通じるお話で、目から鱗が落ちまくってしまったので、ご本人の了解なく抜粋させて頂いております。
以前の動画内で、勉強の為に記事にしても全然問題ないし、むしろ広めてくれて少しでも投資に興味を持ってもらえる人が増えた方が嬉しい、とおっしゃっていらっしゃいましたので、今回のこの動画非常に長いので、一部投資に関する重要な部分を抜粋させて頂きました。
それでは、今回は以上となります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。