トレード中に起こる様々な感情に振り回されないようにするためには、自分の感情を俯瞰(ふかん)して見ることが効果的です。
俯瞰して見るとは、高い視点から広く見渡して考えるということ。
トレード中のあなたの感情は、気付かないうちに刻々と変化しています。
湧いては流れて行く一時的な感情のコントロールには、「こんなときはこうする」などのルールをあらかじめ決めておくことで対処することができます。
結論から言うと、トレード中にコントロールしなければいけない感情とは・・・
この3つです。
では、どのようにしてこの3つの感情をコントロールしてルール化していけば良いのでしょうか?
メンタルをコントロールしてルール化する方法
・損切りになるかも知れないという恐れ
・利益を取り逃したくないという欲望
・決済したあとで予想通りの値動きになったときの焦燥感
これらはすべてあなた自身が感情の支配下に置かれているために感じていることです。
感情の支配下に置かれていると、自分自身を俯瞰して見ることができなくなってしまいます。
3つの感情をコントロールするためには、自分という存在が、トレード中に起こる様々な感情の外側にいる状態を作らなければなりません。
そして、トレード中の感情の揺れ動いている自分と、俯瞰して見ている自分とが交流をすることでメンタルは安定していきます。
この感情との対話をルール化してしまえば、こんな感情が芽生えたときはこう、と決めて対処することができるようになっていきます。
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感情との対話をルール化する具体的な方法
自分の感情に振り回されながらトレードしている状態から、感情との対話をルール化したトレードをするには、事前にどんな「対話」を自分の中ですれば良いのか決めておくだけです。
・損切りができないとき
「いますぐそのクソポジションを捨てて、明日からのビッグチャンスをものにしな!」
・チキン利食いをしたくなったとき
「そんな少ない利益でチキン利食いしていたら、いつまで経っても勝てないままだよ!」
・飛びつきエントリーしたくなったとき
「大きな利益を手にするタイミングは、この値動きが収まってからでも間に合うよ!」
「損をしたくない」という無意識の生存本能によって感情が揺れ動かされている最中に、俯瞰した自分から「ビシッと厳しいセリフ」を投げかけることで、それまで抱いていたマイナスの感情をプラスの感情へ入れ替えることができます。
慣れてくると、自然と言葉とイメージが湧いてきて、悩む暇もなくなります。
さらに重要なことは、ルール通りに感情をコントロールした行動をとったあとで、絶対に後悔しないことです。
当然感情をコントロールして損切りしたあとで、想定していた値動きになることもあります。
しかしそこで「感情をコントロールして損切りしなければよかった」と思っても意味はありません。
なぜならもうすでにポジションを手放しているからです。
ひとつひとつのトレードに完璧を求めないで、損切りできた自分を褒める、チキン利食いを我慢した自分を褒める、飛びつきエントリーしなかった自分を褒める、そのあとどうなったかは一切関係ありません。
それが積み重なって次のトレードのメンタルをより強固なものにしていきます。
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相場に先入観を持たないこと
相場の上げ下げに心を動かされて感情が安定しないのであれば、その先の値動きに一切の先入観を持たないことでこの問題は解決します。
先入観を持たないとは、その先の値動きを予想しないということです。
3つの感情で揺れ動いたときに、すべてその感情に対して「思い通りにはならないかも知れないよ」とか「今すぐやらなくても大丈夫だよ」などあらかじめ決めておいたセリフを投げかけてあげましょう。
すると上がるかも知れないとか、下がるかも知れないといった先入観から解放されて、冷静な自分を取り戻せます。
過去検証をして、検証通りのトレードをしていれば、今の相場が検証通りになるのか、ならないかの事実だけを見て対応策を練ることができるようになります。
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相手を知り、己を知ること
相場参加者は時間帯によって違います。
あなたが対峙している相手は、
アジア(東京、シンガポール、オーストラリアなど)?
それともヨーロッパ(イギリス、フランス、ドイツなど)?
もしくはアメリカ?
東京仲値の値動きと、欧州時間初動の値動きが違うことを知っていれば、東京時間で買われても、欧州時間では売ってくるかもしれない、NY時間では指標発表があるので、それまでのトレンドが崩れるかも知れないなど、俯瞰して相場をとらえることができるので、心の余裕がうまれます。
自分自身の感情を俯瞰して見るように、相場参加者の心理も俯瞰してとらえることができるようになると、心にゆとりのあるトレードを行えます。
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結果を考えることに意味はない
この先相場がどうなるかはどんな凄腕のトレーダーや神様でも完璧に分かる人はいないでしょう。
ある意味コインを投げて表ならロング、裏ならショート、といったトレード方法でも連勝しまくってしまう可能性もあるくらいです。
ではなぜローソク足の動きを見ていると、
「今エントリーしないと利益を取り逃してしまうかも?」とか
「今すぐ損切りしないと大きな損失になってしまうかも?」と思ってしまうのでしょうか?
それは、結果がどうなるのかをあなた自身が考えてしまっているから
この思考を俯瞰的に捉えることで、「今値動きが活発になっているのはロンドンの投機筋がロングの損切りを狙って一斉に売り浴びせてるんだろうな?」とか「日本の年金が米債や米株を買うためのドルを必要としている時期だから仲値で銀行のディーラーが必死でドルを買っているんだろうな?」みたいな想像ができます。(根拠がなくてもかまいません、正確には誰にも分からないので)
自分の感情とは切り離して相場を見ることができれば、その先の結果を想像することに意味がないと思えるようになるでしょう。
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感情を俯瞰し過ぎてしまわないこと
逆に感情を俯瞰し過ぎてしまうと「どうせFXなんかやっても儲からないんでしょ?」とか「FX会社が手数料収入を得たいだけしょ?」などと、自分とは関係ないもの、まるで他人事のようにとらえてしまいます。
そんな人は、これまでの苦い経験や感情を心の奥の方に追いやって蓋をすることで、トレードしている感情を完全に切り離しています。
この様なメンタルになると、相場が他人事になってしまい利益を出すことができません。
俯瞰し過ぎてしまって、「どうせFXやっても無駄だし」と思っている人は、もう少し自分と感情との間を縮めて、思い切ってつながってあげることが肝心です。
まとめ
自分自身を俯瞰して見ることで、メンタルをコントロールすることができます。
そしてトレード中にコントロールしなければいけない3つの感情は、
・損切りになるかも知れないという感情
・利益を取り逃したくないという感情
・決済したあとで予想通りの値動きになってほしくないという感情
です。
感情の揺れ動いている自分に対して、俯瞰して見ている自分からビシッと厳しいセリフを投げかけることで、マイナスの感情からプラスの感情へスイッチを入れ替えます。
鏡に映った自分の顔を見ながらセリフを投げかけるのが効果的です。
さらに、先入観を持って相場を見ないこと、相手をよく知り己を知ること、まだ見ぬ未来の結果をあれこれ考えることには意味がないこと、感情を俯瞰し過ぎないこともメンタルのコントロールには重要な要素でした。
トレード中は、自分を「感情の外側」に置いて、ドキドキ、ハラハラしている自分にビシッと厳しいセリフを投げかけ続けてください。
無意識の生存本能が引き起こす「損をしたくない」という感情に打ち勝つには、俯瞰した自分からの冷静な一言が効果的です。
是非お試しください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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